【ブリュッセル斎藤義彦、ニューヨーク草野和彦】トルコの戦闘機がロシアの戦闘爆撃機を撃墜したことを受け、北大西洋条約機構(NATO)は24日、加盟国トルコの要請で緊急理事会を開き、ロシア軍機がトルコの領空を侵犯したことを確認し「トルコが領土(領空)を保持することを支持する」と、ロシアに警告した。ストルテンベルグ事務総長は露トルコの直接対話による緊張緩和を求めた。
【分かりやすく】シリア内戦をめぐる相関図
事務総長は「複数の加盟国の状況分析とトルコの情報が合致している」と述べ、NATOとして露軍機が領空侵犯したと判断したことを明らかにした。事態は「深刻だ」と述べた。今後も「NATO(と域外)の境界での事態を注意深く追う」として、ロシアが報復などの行動に出ないよう警告した。
ロシアの軍事行動について「過激派『イスラム国』(IS)がいない地域を標的にしている」と批判。「共通の敵はISだ。あらゆるISとの戦いを歓迎する」と述べ、ロシアに軌道修正を求めた。その一方、事態を「沈静化すべきだ」と強調。露トルコ間で、双方の行動を透明化し、衝突のリスクを減らす対話の仕組みを構築するよう促した。
ロイター通信が米当局者の話として伝えた内容によると、露軍機は撃墜される前、シリアの反体制派でトルコ系トルクメン人の部隊を爆撃。トルコが反体制派のトルクメン人を支援する一方、ロシアはシリアのアサド政権を支持しており、シリアを巡る対立が撃墜に発展した可能性がある。
一方、トルコのチェビック国連大使は同日、国連安全保障理事会と潘基文(バンキムン)事務総長に書簡を送り「国籍不明のスホイ24戦闘爆撃機2機」が自国領空を侵犯したことから1機を撃墜したと説明し、自国の対応は正当だったと主張した。
毎日新聞が入手した書簡によると、現地時間24日朝(日本時間同日午後)、スホイ爆撃機2機がシリア国境に近い自国領空に接近したため、トルコ側は5分間で計10回、進路を南へ変更するよう警告した。さらに、同日午前9時24分(日本時間同日午後4時24分)ごろ、2機はトルコ領空に約2.52~2.13キロ入り込み、17秒間にわたり侵犯。1機は領空外に出たが、残った1機を撃墜したと記している。
출처 ; yahoo japan
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